それでは私たちの呼吸について考えてみましょう。
呼吸には色々な側面があります。
前頁に書いた、体内の細胞と大気のガス交換はもちろんですが、最近では”動作”とししての呼吸や、リセットをするための呼吸、さらには内分泌系器官の調整機関としての呼吸の側面も注目されています。
まず第一に一日を通して私たちはどのくらい呼吸をしているのでしょうか。
もちろん人にもよりますが、安静時1分間にどれくらい呼吸をしているか、これは想像できますよね。
大人は大体15~20(回/分)が目安とされています。
ちなみに異常値としては、24回/分以上を頻呼吸、12回/分以下徐呼吸とし、呼吸が10秒以上停止した状態無呼吸と呼んでいます。
それでは正常値の平均17回/分を平均として1時間の呼吸数を計算すると
17回/分×60で…1,020回/時となります。
24時間では…1,020回/時×24は24,480回/日となります。
つまり少なくとも1日2万回は呼吸をしているのです。
別の側面から見ていくと、呼吸は無自覚でも自動的に活動する他の内臓の様な働きもありますが、動作=「何かをしようとして、からだを動かすこと」も可能な身体活動です。その為、ため息をついたり、息をひそめたりすることも可能なのです。
私たちが1日2万回の呼吸をするという事を踏まえて、例えば体の不具合があって、体を捻った状態のまま呼吸をすると、身体はその”捻じれた”状態に適応するために、逆に”捻じれた”ままを通常として身体はその捻じれを当たり前にして生活をしていきます。
これを別の運動例えば、片膝をつま先よりずっと内側に向けて膝の屈伸運動をしていると通常200回もしないうちに膝または股関節が痛くなってきます。このことは皆さんも想像するのは難しくないでしょう。
さらに”捻じれた”状態が大きくなり、その状態を脳は”正常”とするために神経ネットワークを使い身体(特に筋・筋膜)をロックさせていくのです。(ちなみに神経のロックLOCKという表現は私の勝手な表現です)なぜかと言えば意識しながらその捻じれを作っていくのは大変だからです。(=自動的な身体調整)ちなみに神経ロック=LOCKという表現は私の勝手な表現です。
こうなると自身では、なかなか身体操作が上手く行かなくなります。何せ脳が神経を使い身体をロックさせているのですから。私はこういった原則に従い、呼吸をコントロールしながら施術やエクササイズを行っていきます。
呼吸はこういった側面からも重要となり、また身体の不具合はこんなことからも進行していきます。
話が面白くなってきましたが、続きはまた今度